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| タイトル | 静けさが鳴る丘 |
|---|---|
| 撮影場所 | 誓いの丘 |
| 撮影者ペンネーム | yamato |
| 撮影の際のエピソードなど |
カメラの写真の練習がしたくて、妹と一緒に小山町にある誓いの丘を訪れた。特別な目的があったわけではなく、静かな場所で光や構図を意識しながら、ただシャッターを切ってみたかった。 その日は冬らしい澄んだ空気に包まれていた。風は強くなかったが、肌に触れると心地よく、誰もいない誓いの丘に二人だけでいると、世界そのものが透き通っているように感じられた。冬特有の、南中高度の低い太陽が横から差し込み、丘全体をやわらかく照らしていた。その光は冷たい空気とは対照的に暖かく、誓いの丘をどこか神聖な場所のように見せていた。 何枚も写真を撮り、そろそろ帰ろうとしたとき、最後に一度だけ鐘を鳴らしてから帰ろうという話になった。妹が鐘の前に立ち、富士山を見つめている。その後ろ姿を見た瞬間、鐘と富士山が一直線に重なっていることに気づき、思わずシャッターを切った。 その直後、実際に鐘を鳴らした。澄んだ音が丘に響いたとき、それまで静かだった誓いの丘が、かえって強く静けさを帯びたように感じられた。一見すると「静けさ」と「鳴る」という言葉は対照的だが、音を鳴らしたことで、より静けさが広がり、澄んだ世界がはっきりと立ち上がったような感覚があった。 この写真は、鐘の音が鳴る前後の、その境目にあった一瞬を切り取ったものだと思っている。音があるからこそ、静けさが際立つ。誓いの丘で感じたその不思議な感覚を、そのまま残したかった。 そうした思いから、この写真に「静けさが鳴る丘」というタイトルをつけた。 |