《全体構想》 第3章 都市基本計画
1.2 拠点
 都市の発展の前提となっていた居住人口の増加が全国的にも横ばいになってきた現在、本町の将来像の実現に向けて、町民間の交流、あるいは町外から訪れる人々との交流が、大きな比重を占めるものと考えられます。このため、将来重点的な取り組みとなる拠点の整備についても、交流という理念の下に、自然的な交流拠点、都市的な交流拠点及び地域コミュニティ拠点を設定します。
(1)自然的な交流拠点
@ 観光文化交流拠点(富士山)
 日本の最高峰富士山は、言葉を継ぐまでもなく、本町最大最高の観光、文化の交流拠点であることから、富士山五合目付近を観光文化交流拠点として位置づけます。また町内からの富士の眺望をまちづくりに活かしていきます。
A 観光文化交流拠点(足柄峠、金時山)
 足柄峠は、古来より東国と西国を結ぶ交通要衝の地として足柄之関、足柄城が設けられるなど、歴史的・文化的な拠点であり、また富士山及び眼下に拡がる小山町、御殿場市のパノラマ景観を有することで、観光名所ともなってきました。一方金時山は、箱根外輪山の最高峰(1,213m)として富士山をはじめ、丹沢、南アルプス、伊豆の山々など360度全方位のパノラマを楽しむことができる景勝の地として多くの登山客を集めています。この両地を観光文化交流拠点として位置づけ、周辺整備を図ります。
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足柄峠から俯瞰する小山町内のイメージ
B 野外活動交流拠点
 足柄地域の自然環境保全ゾーンの一角には、環境教育を行いながら、自然との交流を図ることのできる野外活動交流拠点を設け、周辺整備を図ります。
C 広域観光レクリエーション交流拠点
 須走地域の自然環境保全ゾーンの一角には、富士登山口として栄えてきた須走口の歴史的背景や富士山の自然環境を守りながら、さらに多様化する観光ニーズに対応した温泉資源等を活用した長期滞在型の広域観光レクリエーション拠点の整備を検討します。
(2)都市的な交流拠点
@ 生活文化交流拠点(町役場周辺から健康福祉会館周辺にかけての地区)
 町役場から健康福祉会館に至る(県)沼津小山線沿いの商業業務施設の集積地は、生活文化交流拠点として位置づけ、行政サービスの利便性の向上や、コミュニティ意識の向上により、町民が互いにふれあうことのできる空間整備を図ります。また、まちの顔にふさわしい暖かみのある景観形成に努めます。
A 生活文化交流拠点(JR御殿場線足柄駅周辺)
 「足柄駅前土地区画整理事業」の実施により面的整備が進んだ足柄駅周辺は、生活文化交流拠点として位置づけ、確保された公園緑地の整備や維持管理を推進するとともに、町民の交流を図ることの出来る基盤整備を図ります。
B 生活文化交流拠点(生涯学習センター)
 総合文化会館、図書館、総合体育館、総合運動施設等の集積地である生涯学習センターは、生活文化交流拠点として位置づけ、新たな拠点地にふさわしいイベントの開催や、まちづくりへの町民参加に向けた呼びかけを図ります。
C 道路交通サービス交流拠点(国道246号沿道)
 国道246号沿道の「道の駅」整備予定地は、道路交通サービス交流拠点として位置づけ、長距離ドライバー、観光レクリエーション客と町民との交流の場の形成や、町の特産品の販売の場の設置等を行っていきます。
D 道路交通サービス交流拠点(国道138号、東富士五湖道路及びふじあざみラインの結節点)
 国道138号、東富士五湖道路及びふじあざみラインの結節点における「道の駅」整備構想地の周辺は、道路交通サービス交流拠点として位置づけ、長距離ドライバー、富士登山客、観光レクリエーション客と町民との交流の場の形成や、町の特産品の販売の場の設置等を行っていきます。
E 広域都市交流拠点(第二東名自動車道への開放型休憩施設)
 第二東名自動車道の開放型休憩施設構想地は、広域都市交流拠点として位置づけ、富士スピードウェイ利用等の観光レクリエーション客と町民との交流の場の形成や、町の特産品の販売の場の設置等を行っていきます。
F 広域都市交流拠点(東名高速道路足柄バス停及び温泉会館)
 東名高速道路足柄バス停及び温泉会館構想地の周辺は、広域都市交流拠点として位置づけ、温泉の利用などにより町民の交流の場の形成を図ります。
G 広域都市交流拠点(東名高速道路足柄サービスエリア)
 東名高速道路足柄サービスエリアは、広域都市交流拠点として位置づけ、長距離ドライバー、観光レクリエーション客と町民との交流の場の形成や、町の特産品の販売の場の設置等を行っていきます。
H 新産業業務交流拠点
 小山地域における工業地域は、新産業業務交流拠点として位置づけ、豊富な水資源などを生かした産業等と、居住機能とが調和した施設整備を図ります。
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国道138号、東富士五湖道路及び
ふじあざみラインの結節点における
道の駅構想
第二東名自動車道の開放型休憩施設構想
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東名高速道路足柄バス停及び温泉会館構想 新産業業務交流拠点における土地利用構想
(3)地域コミュニティ拠点
小山、足柄、北郷、須走の各地域の役場及び支所周辺は、地域の人々のコミュニティ活動の中心地として、地域コミュニティ拠点として位置づけていきます。小山、足柄地域では役場及び支所周辺での広域的な生活文化機能をも担っていることから、その中でコミュニティ活動を行っていきます。また北郷、須走地域では地域住民の日常生活やコミュニティ活動への支援を行っていきます。
1.3 町民が主役となった土地利用の実現
 ゾーニング及び拠点の形成によって、大まかな土地利用の枠組みは形成されますが、その枠組みに命を与え、いきいきとした息吹をもたらすのは、それぞれの地域に住み、憩い、生活を営む町民の方々です。
 ゾーニングや拠点の目指すものに向けて、協定等のルールづくりや環境向上運動など町民が主体となったまちづくり活動を促進し、秩序ある土地利用の規制誘導に努めます。
 また、町民と行政が手を携え、地域におけるふれあい、助け合いを通した温かい地域コミュニティの充実を目指し、だれもが安心していきいきと暮らすことのできる地域社会を実現していきます。
小山町将来土地利用方針図