【足柄地域】
1.地域別構想
1.1 地域別将来像とまちづくりの方針
★地域別将来像
『未来へつなぐゲートゾーン、足柄』

 地区の歴史を未来につなぐとともに、境界に位置する地理的条件を活かして、過去と未来、住民と来訪者の交流をキーワードとしたまちづくりを目指します。町の将来を担う子供たちあるいは来訪者の方々への豊かな自然と温かい心によるもてなしを基本に置きながら、交流の基盤となる拠点施設及び都市基盤施設の整備を図ります。
1.2 将来整備方針
(1)土地利用計画
@ 自然的、農業的土地利用ゾーン
● 自然環境保全ゾーン
 箱根外輪山、足柄山嶺における斜面緑地及び森林地域は自然環境保全ゾーンとして位置づけ、豊かな自然環境を将来にわたっても維持していくものとします。
 このゾーンにおいては、自然環境の維持・保全を図るとともに、森林が持っているさまざまな機能(水源涵養、大気浄化、災害防止、風致保全、保健休養、木材生産等)を環境資源として活かしていきます。
● 農業緑地形成ゾーン
 本地域の農業基盤整備事業地区及び地域内を流下する鮎沢川沿いに点在する農用地は、その豊かな自然性を活かした農業緑地形成ゾーンとして位置づけ、農産物の生産機能の向上を図ります。
 また、農産物の生産機能を維持しながら、ふれあい農園や市民農園など新たな利用方法についても検討します。
A 都市的土地利用ゾーン
● 生活環境向上ゾーン
 足柄駅周辺に拡がる住宅地(主に現在の市街化区域)は、生活環境向上ゾーンとして位置づけます。
 区画整理済み地区における良好な住環境の維持・向上とともに、周辺地区における道路、公園、下水道等の生活基盤施設の整備も図ります。また地区計画の導入などにより、防災性の向上、美しい街並みの創出等の生活の質の向上を推進します。
● 工業機能ゾーン
 (主)御殿場大井線沿道の工場集積地は、工業機能ゾーンとして位置づけ、工業機能の充実に努めます。また敷地内の緑化などにより、周辺環境との調和を図るとともに、環境負荷の軽減、省資源、省エネルギー化の促進に努めます。
● 複合機能ゾーン
 新宿区立足柄学園跡地や温泉会館構想地等にかけての周辺地区は、文教厚生施設や住宅などを兼ね備えた複合機能ゾーンとして位置づけ、その機能充実を図ります。
(2)拠点となる施設等
● 観光文化交流拠点(足柄峠、金時山)
 足柄峠は、古来より東国と西国を結ぶ交通要衝の地として足柄之関、足柄城が設けられるなど、歴史的・文化的な拠点であり、また富士山及び眼下に拡がる小山町、御殿場市のパノラマ景観を有することで、観光名所ともなってきました。一方金時山は、箱根外輪山の最高峰(1,213m)として富士山をはじめ、丹沢、南アルプス、伊豆の山々など360度全方位のパノラマを楽しむことができる景勝の地として多くの登山客を集めています。この両地を観光文化交流拠点として位置づけ、周辺整備を図ります。
● 野外活動交流拠点
 本地域の自然環境保全ゾーンの一角には、環境教育を行いながら、自然との交流を図ることのできる野外活動交流拠点を設け、周辺整備を図ります。
● 生活文化交流拠点・足柄コミュニティ拠点(JR御殿場線足柄駅周辺)
 「足柄駅前土地区画整理事業」の実施により面的整備が進んだ足柄駅周辺は、生活文化交流拠点として位置づけ、確保された公園緑地の整備や維持管理を推進するとともに、町民の交流を図ることの出来る基盤整備を検討します。また足柄駅においては、駅舎改築、情報提供の充実など駅ターミナル機能の拡充を図ります。
● 広域都市交流拠点(東名高速道路足柄バス停及び温泉会館)
 東名高速道路足柄バス停及び温泉会館構想地の周辺は、広域都市交流拠点として位置づけ、温泉の利用などにより町民の交流の場の形成を図ります。
● 広域都市交流拠点(東名高速道路足柄サービスエリア)
 東名高速道路足柄サービスエリアは、広域都市交流拠点として位置づけ、長距離ドライバー、観光レクリエーション客と町民との交流の場の形成や、町の特産品の販売の場の設置等を行っていきます。
(3)その他
● 鮎沢川の水質向上と親水性の向上
 地域内を流下する鮎沢川は、地域の骨格を形成する緑の軸線として位置づけられることから、公共下水道事業、農業集落排水事業、合併浄化槽、コミュニティプラントの設置などによる河川の水質向上と、水に親しめる水辺公園の設置を検討して、親水性の向上を図ります。
● 地域内の歩行空間ネットワークの確立とハイキングコースの整備
 市街地内においては、生活道路を中心として歩行空間ネットワークを構築し、段差の解消、スロープ、点字ブロックの設置など子供からお年寄り、障害者が安心して通行することの出来るユニバーサルデザインに基づきながら、歩行空間を積極的に確保していきます。
 また、金時山ハイキングコース等本地域内に多数存在するハイキングコース及び御殿場市に連なる歴史的な遊歩道コースについては、町民の健康維持及び町外からの来訪者の増加を考慮して、その整備に努めます。
● 生活文化交流拠点と他の都市拠点施設等を連絡する道路整備
 生活文化交流拠点である足柄駅及び周辺地区は、鉄道利用による来訪者の玄関口ですが、他の拠点施設や他地域との連絡性はあまり良くありません。このため、小山地域や北郷地域とを結ぶ幹線道路にアクセスする道路を整備することにより、都市拠点間や他地域との連絡性の向上を図ります。
● 長期的な足柄道路整備への取り組み
 足柄峠を貫通する足柄道路は、その事業の大きさ、影響範囲の広さから小山町一町だけの取り組みで整備できる道路ではありません。しかし一方で、本地域あるいは町と神奈川県とを結ぶ路線の必要性については、過去から幾度となく問い掛けられている課題でもあります。今後も引き続き足柄道路の整備に向けて検討を進めていきます。
「足柄地域」将来土地利用方針図