○小山町自治基本条例

平成27年12月17日

条例第23号

目次

前文

第1章 総則(第1条―第3条)

第2章 まちづくりの基本理念及び基本原則(第4条・第5条)

第3章 まちづくりの主体の役割と責務

第1節 町民の権利及び役割(第6条・第7条)

第2節 議会及び議員の責務(第8条・第9条)

第3節 町長及び職員の責務(第10条・第11条)

第4章 町政運営(第12条―第17条)

第5章 情報の共有等(第18条―第20条)

第6章 参加及び協働(第21条―第27条)

第7章 交流及び連携(第28条・第29条)

第8章 条例の見直し(第30条)

附則

私たちのまち小山町は、世界文化遺産富士山の懐に抱かれ、美しい緑、清らかな河川と豊富な地下水、広大な田園風景、水かけ菜に代表される個性豊かな特産品など、素晴らしい自然の恵みと多くの観光資源に満ちあふれています。また、今なお語り継がれる金太郎伝説をはじめとする、歴史・文化・史跡・名勝は、多くの人々を魅了しています。さらに、首都圏に近いという地理的優位性や恵まれた自然環境を背景に、これまで多くの企業が進出し地域の発展を支えてきました。

一方、近年では、人口の減少や少子高齢化の進行、地域コミュニティの衰退、地方分権の進展など、地域社会を取り巻く環境は大きく変化しています。

こうした社会環境の変化に対応するためには、私たち一人ひとりがまちづくりの主体であることを認識し、このまちに愛着と誇りを持ち、将来に夢や希望が持てる魅力あるまちづくりを進めていくとともに、町民、議会及び執行機関がそれぞれの役割と責務を果たし、新しい時代の進路を拓いていくための新たな仕組みを構築する必要があります。

このような考え方に立ち、私たちは、参加と協働によるまちづくりを推進することにより、先人たちから脈々と受け継いできた財産を輝く未来ある子ども達に引き継ぎ、「富士山頂のあるまち」「金太郎生誕の地」にふさわしい、元気で、明るく、豊かな地域社会を実現するため、ここに、小山町自治基本条例を制定します。

第1章 総則

(目的)

第1条 この条例は、本町におけるまちづくりの基本理念及びその実現を図るために必要な事項を定めることにより、参加と協働によるまちづくりを推進し、もって先人たちから脈々と受け継いできた財産を輝く未来ある子ども達に引き継ぎ、「富士山頂のあるまち」「金太郎生誕の地」にふさわしい、元気で、明るく、豊かな地域社会を実現することを目的とする。

(条例の位置付け)

第2条 この条例は、まちづくりに関する基本的事項を定めるものであり、町民及び町は、この条例の趣旨を最大限に尊重するものとする。

2 町は、他の条例、規則等の制定、改廃及び運用並びに計画等の策定、改定及び実施に当たっては、この条例との整合を図らなければならない。

(定義)

第3条 この条例において、次に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

(1) 町民 町内に居住する者、町内に通勤又は通学する者及び町内で事業又は活動を行う個人若しくは法人その他の団体をいう。

(2) 執行機関 町長、教育委員会、選挙管理委員会、監査委員、農業委員会及び固定資産評価審査委員会をいう。

(3) 町 議会及び執行機関をいう。

(4) まちづくり 元気で、明るく、豊かな地域社会の実現のための公益的活動をいう。

(5) 参加 まちづくりに関する政策の立案、施策の実施等に関し、町民が主体的に関わり、行動することをいう。

(6) 協働 町民及び町がそれぞれの役割及び責務に基づき、互いを尊重しながら、対等な立場で協力してまちづくりに取り組むことをいう。

(7) コミュニティ 自治会、まちづくり団体その他の町民が安心して暮らしていくために主体的かつ自律的に活動する組織及び団体をいう。

第2章 まちづくりの基本理念及び基本原則

(まちづくりの基本理念)

第4条 町民及び町は、町民がまちづくりの主体であることを認識し、参加と協働によるまちづくりの推進を図るものとする。

2 町民及び町は、まちづくりの推進において、個人の尊厳及び自由を尊重するとともに、法令及びこの条例等の規定を遵守するものとする。

3 町は、町民の意思を町政に反映するよう努めるとともに、公正で開かれたまちづくりを推進するものとする。

(まちづくりの基本原則)

第5条 町民及び町は、次に掲げる基本原則により、まちづくりを推進するものとする。

(1) 情報共有の原則 まちづくりに関する情報を共有すること。

(2) 参加の原則 町民が主体的にまちづくりに参加すること。

(3) 協働の原則 協働してまちづくりを推進すること。

第3章 まちづくりの主体の役割と責務

第1節 町民の権利及び役割

(町民の権利)

第6条 町民は、まちづくりに関する情報を知る権利を有する。

2 町民は、まちづくりに参加する権利を有する。

(町民の役割)

第7条 町民は、自らがまちづくりの主体であることを認識し、まちづくりに主体的に参加するよう努めるものとする。

2 町民は、まちづくりへの参加に当たっては、自らの発言及び行動に責任を持つとともに、互いの立場や意見等を尊重するよう努めるものとする。

3 町民は、地域の中で安心して暮らすことができるよう、自治組織の活動に参加し、互いに助け合うよう努めるものとする。

第2節 議会及び議員の責務

(議会の責務)

第8条 議会は、町民を代表する議事機関として、町民の意思が町政に反映されるよう努めなければならない。

2 議会は、町政運営の監視及び評価を行うとともに、積極的に調査・研究を行い、政策の立案及び提言に努めなければならない。

3 議会は、議会に関する情報を町民に積極的かつ分かりやすく提供し、開かれた議会運営に努めなければならない。

(議員の責務)

第9条 議員は、議会の責務を認識し、公正かつ誠実に職務を遂行しなければならない。

第3節 町長及び職員の責務

(町長の責務)

第10条 町長は、町民の意思を尊重し、公正かつ誠実に町政運営を行わなければならない。

2 町長は、関係機関等との連携を図り、リーダーシップを発揮して町政の円滑な運営に努めなければならない。

3 町長は、職員を適切に指揮監督するとともに、その人材育成に努めなければならない。

(職員の責務)

第11条 職員は、町民全体の奉仕者として、公正かつ誠実に職務を遂行しなければならない。

2 職員は、職務の遂行に必要な知識の習得及び技能の向上に努めなければならない。

第4章 町政運営

(総合計画)

第12条 町長は、効果的かつ効率的な町政運営を確保し、町政の健全な発展を図るため、総合的見地に立って総合計画を策定するものとする。

2 町長は、総合計画を着実に実行するため、進行管理及び評価を適切に行うとともに、必要に応じて総合計画の見直しを行うものとする。

(行政評価)

第13条 町長は、効果的かつ効率的な町政運営を行うため、総合計画に基づく施策に関する行政評価を実施し、その結果を町民に公表するものとする。

(財政運営)

第14条 町長は、中長期的な観点から、健全な財政運営を行うとともに、毎年度の予算及び決算その他財政状況に関する情報を、町民に分かりやすく公表するものとする。

(行政手続)

第15条 執行機関は、町民の権利及び利益を保護するため、執行機関が行う処分その他の行政手続に関し、透明性及び公正性を確保するものとする。

2 前項に規定する行政手続に関し必要な事項については、別に条例で定める。

(行政組織)

第16条 執行機関は、町民に分かりやすく、将来を見据えた簡素で効率的な組織の編成を行うとともに、職員の適正配置に努めるものとする。

(危機管理)

第17条 執行機関は、町民の安全及び安心を確保し、災害等の緊急事態に迅速かつ適切に対応するため、危機管理体制を整備するものとする。

2 町民は、日頃から災害等に備えるとともに、地域での防災訓練等に参加するよう努めるものとする。

第5章 情報の共有等

(情報の共有)

第18条 町は、町政に関する情報を町民に積極的かつ分かりやすく提供し、町民と情報の共有に努めるものとする。

(情報の公開)

第19条 町は、町の諸活動を町民に説明するため、別に条例で定めるところにより、町の保有する情報を公開するものとする。

(個人情報の保護)

第20条 町は、町民の権利及び利益の侵害防止を図るため、別に条例で定めるところにより、保有する個人情報を適正に取り扱うものとする。

第6章 参加及び協働

(参加の推進)

第21条 町は、町民が町政に参加できる多様な機会を提供し、参加の推進に努めるものとする。

(意見の募集)

第22条 執行機関は、重要な条例の制定又は改廃及び計画の策定又は改定等に当たっては、事前にその案を公表し、広く町民から意見を募るものとする。

2 執行機関は、前項の規定に基づき提出された意見を考慮して意思決定を行うとともに、その意見に対する考え方を町民に公表するものとする。

3 前2項に関して必要な事項については、別に定める。

(意見、要望等への対応)

第23条 執行機関は、町政について町民から意見、要望等があったときは、誠実かつ迅速に対応するものとする。

(住民投票)

第24条 町長は、町政に関して特に重要な事項について、住民の意思を確認する必要があると認めるときは、議会の議決を経て、住民投票を実施することができるものとする。

2 町は、住民投票の結果を尊重するものとする。

3 住民投票に関して必要な事項は、それぞれの事案ごとに別に条例で定める。

(協働の推進)

第25条 執行機関は、協働の推進に当たり、町民の自主性及び自律性を尊重するとともに、町民によるまちづくりに対して必要な支援を行うよう努めるものとする。

(コミュニティ活動の推進)

第26条 町民及び町は、コミュニティの果たす役割を認識し、これを守り育てるよう努めるものとする。

2 町は、コミュニティの自主性及び自律性を尊重するとともに、公益的なコミュニティの活動に対して必要な支援を行うよう努めるものとする。

(人材の育成)

第27条 執行機関は、町民と連携し、参加と協働によるまちづくりを担う人材の育成に努めるものとする。

第7章 交流及び連携

(町内外の人々との交流)

第28条 町民及び町は、町内外の人々との交流を深め、得られた知識及び意見等をまちづくりに活用するよう努めるものとする。

(国、県及び他の地方公共団体との連携)

第29条 町は、共通する課題の解決及び町政運営の効率化を図るため、国、県及び他の地方公共団体との連携及び協力に努めるものとする。

第8章 条例の見直し

(条例の見直し)

第30条 町長は、この条例の施行の日から起算して5年を超えない期間ごとに、この条例の内容が社会情勢の変化等に適合したものかどうかについて検証し、その結果に基づき必要な見直しを行うものとする。

この条例は、平成28年4月1日から施行する。

小山町自治基本条例

平成27年12月17日 条例第23号

(平成28年4月1日施行)

体系情報
第1編 規/第1章 町制施行
沿革情報
平成27年12月17日 条例第23号