○小山町観光振興条例

平成25年3月27日

条例第7号

目次

前文

第1章 総則(第1条―第7条)

第2章 基本的施策

第1節 小山町観光振興に関する計画(第8条・第9条)

第2節 魅力ある観光地の形成(第10条―第12条)

第3節 富士山と金太郎の活用(第13条・第14条)

第3章 観光の振興を支える仕組みづくり(第15条・第16条)

附則

私たちが暮らす小山町は、世界に誇る富士山の懐に抱かれ、美しい森林と清らかな河川、そして豊かな田園が広がる自然の恵みに満ちあふれた郷土である。この美しい景観と自然が生み出す豊富な産物は、来訪者を温かくもてなす町民の気持ちとあいまって、小山町を訪れた多くの人々に感銘を与えてきた。

観光は、21世紀の基幹産業であると期待されており、その振興は、地域経済の活性化に最も大きく貢献すると言われている。このため、小山町においても観光の振興に積極的に取り組んでいくこととしているが、小山町へ繰り返し訪れてくれる人々が、この町の自然を理解し、町民と生活や体験をともにし、感動を共有し、交流を深めていくことが重要である。

小山町は、町民が将来にわたって希望と誇りを持ち、また、来訪者とも満足感を共有しあえる町づくりに取り組んでいくため、行政や観光関係者だけではなく町民全体が主役となる観光の推進を目指し、観光振興条例を制定する。

第1章 総則

(目的)

第1条 この条例は、町の観光振興の基本理念を定め、町の責務並びに町民、観光事業者及び観光関係団体の果たすべき役割を明らかにするとともに、観光振興の実現に関する施策の基本となる事項を定めることにより、観光振興を総合的かつ計画的に推進し、もって町民にも来訪者にも魅力ある活力に満ちた地域づくりを成し遂げ、地域経済の活性化及び町民生活の向上に資することを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号の定めるところによる。

(1) 来訪者 観光客並びに体験、学習、交流、商用等で本町を訪れる人をいう。

(2) 観光事業者 主として観光客を対象とする事業者その他観光の振興に関連する事業者をいう。

(3) 観光関係団体 観光の振興を目的として、観光事業者、行政機関等で構成される団体をいう。

(4) 観光施設 主として観光客を対象とする宿泊施設、食事施設、休憩施設等をいう。

(基本理念)

第3条 観光の振興は、今後の地域経済の活性化にとって重要な要素であることから、次に掲げる理念に基づき行わなければならない。

(1) 地域の独自性の発揮及び創意工夫に基づく主体的な取組を基本とし、町民が希望と誇りを持つ魅力ある郷土を築き上げること。

(2) 美しく豊かな自然を保全しつつその活用を図ることを基本とし、地域の歴史及び伝統に関する理解を深め並びにその魅力度を高め、かつ、積極的な情報発信を行うことで来訪者の増加を図ること。

(3) 町、観光事業者及び観光関係団体に加え、全ての町民の参加が重要であり、そのための仕組みづくりに積極的に取り組んでいくこと。

(4) 隣接又は近縁の市町村と連携し、広域的な取組を推進すること。

(5) 国際観光、グリーンツーリズム、スポーツツーリズム等の新たな分野に取り組んでいくこと。

(町の責務)

第4条 町は、観光振興に関する施策を総合的かつ計画的に実施する責務を有する。

2 町は、町民、観光事業者及び観光関係団体(以下「町民等」という。)が、相互に連携して観光の振興に関する取組を進められるよう総合調整を行うものとする。

(町民の役割)

第5条 町民は、観光振興の意義に対する理解と関心を深め、かつ、積極的に参加するように努めるものとする。

2 町民は、自らの生活する周辺の美化に心掛けることで、潤い及びゆとりのある生活空間を築き上げ、来訪者にもその快適性を味わってもらうよう努めるものとする。

3 町民は、来訪者に対し、暖かく親愛のこもった接遇に努めるものとする。

(観光事業者の役割)

第6条 観光事業者は、魅力ある施設の整備及びおもてなしの向上を心掛けるとともに、積極的な情報発信を併せて行うこととし、来訪者の満足度の向上に努めなければならない。

(観光関係団体の役割)

第7条 観光関係団体は、町と連携し、他の関連団体及び観光事業者間の調整に努め、計画的かつ効果的な事業の推進を図らなければならない。

第2章 基本的施策

第1節 小山町観光振興に関する計画

(観光振興計画)

第8条 町長は、観光振興の実現に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るため、小山町観光振興計画(以下「観光振興計画」という。)を定めるものとする。

2 観光振興計画は、次に掲げる事項を定めるものとする。

(1) 観光振興の実現に関する施策についての基本的な方針

(2) 観光振興の実現に関する目標とその数値

(3) 観光振興の実現に関し、町が総合的かつ計画的に講じるべき施策

(4) 前3号に掲げるもののほか、観光振興の実現に関する施策を推進するために必要な事項

3 町長は、観光振興計画を定めたときは、遅滞なくこれを公表するものとする。

4 前項の規定は、観光振興計画の変更について準用する。

(財政上の措置)

第9条 町は、観光振興に関する施策を推進するため、必要な財政上の措置を講じるよう努めるものとする。

第2節 魅力ある観光地の形成

(観光施設の連携による魅力ある観光地づくりの推進)

第10条 町は、来訪者の満足度を向上させ、再度の訪問意欲を高めるような魅力ある観光地の形成を図るため、来訪者の利便の向上につながる公共施設の整備に努めるとともに、観光施設との連携の強化に必要な施策を講じるものとする。

(観光資源の保護、育成及び整備)

第11条 町は、自然、文化、歴史、産業等の観光資源の活用による地域の特性を生かした魅力ある観光地の形成を図るため、観光資源の保護、育成及び整備に必要な施策を講じるものとする。

(情報発信の強化)

第12条 町は、観光事業者及び観光関係団体と連携し、観光資源及びその活用方法、観光振興の取組等の情報発信に努めるものとする。

第3節 富士山と金太郎の活用

(富士山の保全及び観光的活用)

第13条 町及び町民等は、町の象徴である富士山の恵みに感謝するとともに、そのイメージに沿った観光の振興を図ることを心掛けるものとする。

2 町は、富士山周辺の自然環境の保全を図りながら、来訪者を受け入れるための適切な整備の推進に努めるものとする。

3 観光事業者は、町及び観光関係団体と連携し、富士山を対象とした旅行商品等の開発及び情報発信を図るものとする。

(金太郎の観光的活用)

第14条 町及び町民等は、健康と活力の象徴である金太郎のイメージを活用して、観光の推進を図るものとする。

第3章 観光の振興を支える仕組みづくり

(観光を担う人材づくり)

第15条 町は、観光事業者及び観光関係団体と連携するとともに、町民にも広く参加を呼びかけ、今後の観光振興の担い手となる新たな人材及び組織の養成に取り組むものとする。

(観光振興推進会議の設置)

第16条 町は、町民等及び観光の振興に関わるものからなる観光振興推進会議を設置する。

2 町は、観光振興計画の策定及び変更に当たっては、観光振興推進会議に諮るものとし、施策の実施においても必要に応じてその意見を聴くものとする。

この条例は、平成25年4月1日から施行する。

小山町観光振興条例

平成25年3月27日 条例第7号

(平成25年4月1日施行)