小山町 町長室 おやまを導くらしんばん

らしんばん(町長のエッセイ)

ふるさと納税物語

かつて議会で「ふるさと納税」導入についての質問が2回あった。わが町にはこれといった返礼品があるわけではないし、事務は煩雑だしと、当初はあまり乗り気ではなかった。

 しかし、ある時、職員が直談判に来た。「小山町には魅力的なものが数多くあるのに、なぜ無いと言うのか?ぜひやりたい」と。国内最古の鋼製橋で国登録文化財の「森村橋」と、和田豊治氏の別邸を移築した「豊門会館」。いずれも富士紡から町が譲り受けたものだが、修復話が出ては消え、いまだ手付かずの状態だ。この由緒ある施設を何とか修復するための財源に「ふるさと納税」を活用したいという。 

 視点が違った。「めざせ100アイテム・1億円」。職員の描くシナリオと熱意に兜をぬいだ。9月に始めたふるさと納税は、4カ月余で8億円を突破した。一職員の発想が大きく化けた。 

 今、富士紡の跡地には新たな企業が進出し、槌音が響く。町の発展の礎となった「森村」「和田」翁の名は、後世に確実に残していきたい。

 

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