小山町 町長室 おやまを導くらしんばん

らしんばん(町長のエッセイ)

治山(2012年12月)

 箱根外輪山、丹沢山系、三国山稜、立山(たちやま)と連なる神奈川・山梨県境の山並み。金時山から富士山までの尾根道43kmは「富士箱根トレイル」として認知度を増した。そこには折々の表情で迎えてくれる自然がある。木々の合間に見え隠れする霊峰と山麓の大パノラマは、何度見ても息を呑む。

 先日、川勝平太知事がトレイルの視察に訪れ、明神峠からの眺望を絶賛していた。だが、その絶景とは裏腹に、山腹は災害の要素を抱えている。森林は我が町域の67%を占め面積は9千ヘクタール。うち3千ヘクタールが戦後に植林した人工林だが、現在はほとんど手が入らず鬱蒼(うっそう)として、下草もない荒廃林と化している。スコリヤ層の土壌のため、大雨のたびに山腹崩壊が起き、下流域に大きな被害をもたらしてきた。

 「治山」の言葉の通り、山を治めることが災害を防ぐ根本対策だ。そのために「山地強靭化総合対策会議」を立ち上げた。国・県と連携して対策を検討していく。

 治山は一朝一夕にはいかない事業であると同時に、森林関係者の理解と協力が欠かせない。関係者と手を携え、長期ビジョンの下でぶれることなく事業を進めていきたい。

    込 山 正 秀

(「広報おやま」2012年12月号)

  

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